2016年3月24日木曜日

コンサート前に起こること

コンサートの2~3週間前に、1回限りですが、必ずと言ってよいほど関連する夢を見ていました。
いました・・と過去形なのは、最近は見なくなってきているからです。

例えば・・・
舞台袖にスタンバイし、いざ!出陣という時に、足元が裸足である。
レッスンを受ける際に、バックの中を探しても、バイエルなどの子供用の教本しかない。
ドレスを着たまま電車に乗り、わざわざ隣町のケーキ屋さんに出かけて、遅刻する。
プログラムには載っていない曲を練習していたことに、ピアノの前に座ってから気づく。
ドレスではなく、着物を着ていて、開演時間が迫るなか、なかなか脱ぐことができない。

上記のようなハプニングが現実に起こったことはありませんが、どの夢も、焦り、混乱を表していて、途方に暮れたり、冷や汗をかく様子が出ています。
しかし、どれもあり得ないシチュエーションであり、先に夢でミスをして、安心を得ようとしているのかもしれません。

たとえ1曲しか弾かないときでも、演奏する曲目について調べたり、練習の組み立て方や、当日着る衣裳、会場までのアクセス、持参する食べ物など、必然的にコンサートについて考える時間が増えることになり、まだ、演奏に慣れていない頃や、不安材料が多い時などは、煩雑に見ていたような気がします。

そんな風に夢を見始めたのは、合唱の伴奏者として、NHKやTBSコンクールに出場していた中学生の頃からかもしれません。
シーンとした会場で、全神経を集中し、指を鍵盤に押し出す瞬間は、今でも覚えています。
絶対に間違えることができないという思いが、夢での代理失敗につながっているような気がします。

演奏をする経験が増えるにつれ、今では本番に強いと言われることも多くなってきました。
それ自体は嬉しいことなのですが、夢を見なくなってきたことを、少しだけ寂しいと感じています。
もしかして、引き換えに何かを失っていないかと、自らを省みてみようとも思います。